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『こいも』 日々思うあれこれ

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事業者の責任が問われる介護事故 


介護事故は、『事業者のサービス管理下にある入居者・入所者に発生するすべての事故』であり、『介護看護関連スタッフの過誤・過失の有無を問わない』と定義しました。また、事業者の過失が問われるのは、『入浴中に入居者を転倒させた』『車いすをぶつけた』『違う薬を飲ませた』といったような、明らかな介護ミスだけではないということを述べました。

どれだけ気をつけても、介護事故をゼロにすることは不可能です。
リスクマネジメントの視点からサービス管理を行う上で、その基礎となるのは、どのような時に事業者の責任が問われるのか、逆にどのような事故の場合には責任を問われないのかです。少し嫌な言い方をすれば、それは責任を問われないために、どうすればよいかということにもつながります。事実の隠蔽や情報操作などは論外ですが、事業を守る、スタッフを守るという視点からは、重要なことです。

介護看護スタッフの直接的なミス・失敗によって発生した人身事故(死亡や怪我、疾病の悪化など)については、当該スタッフ個人にも刑事・民事・行政上の責任が及びますが、使用者責任して事業者にも責任が及びます。ただし、これは、介護看護サービスを一体的に提供している特養ホームや老健施設、介護付有老ホームと、区分支給限度額方式の住宅型有料老人ホーム・サ高住とは違ってきます。
その違いを整理するためにも、まず『事業者に責任が及ぶ介護事故』から整理していきたいと思います。


事業者の責任が問われる介護事故を整理したものが次のものです。
  ① 介護看護スタッフの直接介助中により発生した人身事故。
  ② 事故・急変に対して、適切な処置を行わなかったことによる被害の拡大。
  ③ 事業所で定めた介護看護マニュアル・手順に従わずに発生した人身事故。
  ④ ケアプランで定めた通りの介護を行わなかったために発生した人身事故。
  ⑤ スタッフ間の連携・連絡の不備によって発生した人身事故。
  ⑥ ケアプランのアセスメント・モニタリングが不十分なために発生した人身事故。
  ⑦ 事業者の管理する建物・設備・備品が原因で発生した人身事故。


①は、多くの人がすぐにイメージできる直接介助中の介護スタッフのミスによる転倒や転落などの事故です。『車いす介助中に壁にぶつけて足指を骨折』『入浴中、目を離したすきに溺水』『車いすからベッドに移動させるときにふらついて転倒』など、イメージできる事故はたくさんあるでしょう。

②は、発生責任の如何を問わず、事故発生や急変などの対応が不十分なために、その被害や病状が悪化した場合の責任です。例えば、食事中に窒息の兆候があったのに必要な措置を取らず、またその後の様子観察も不十分で、急変して亡くなられた場合は、責任が問われます。『頭が痛い』『胸が痛い』などの訴えがあった場合の対応も同様です。

③は、施設で定めた介護看護マニュアルに違反したために発生した事故です。例えば、マニュアルでは、『入浴介助スタッフが着替えの不足に気が付いたときは、自分で取りに行かずに他のスタッフに依頼する』というマニュアルになっていたのに、自分で取りに行ったために、その間に転倒した・・というケースが当てはまります。介護看護マニュアルの中には、『本当にこんなことができるのだろうか・・・』『本当にそんなことしてるんですか・・』と首をかしげるようなものがありますが、それでも、事業所で定めた規定ですから、これが守られていないことによって発生した人身事故は、事業者の責任となります。

④は、ケアプランで定めたサービスを行わなかったために発生した事故です。ケアプランは、入所者・家族に対して『このような介護サービスを提供します』という契約です。故意、過失に関わらず、定められたサービスを行わなかったために発生した事故については、当然、事業者の責任です。中には、『ふらつき有、歩行時常時見守り』といった、実際は不可能だと思われるようなケアプランも少なくありませんが、このようなケアプランでも、歩行時に転倒すれば、『安全な見守りができていなかった』という契約義務違反になります。

⑤は、連絡不備・連携不備による事故です。
食事内容、食事形態の変更、薬の変更・中止、介助方法の見直しなど個別の入所者に対するサービスの見直しや、介護マニュアルなど全体の介助方法の修正が、伝わっていないために発生した事故も、介護ミスのひとつです。多くの事業所で、朝の申し送りや連絡ノートなどで連携・連絡を行っていますが、どこまで伝わっているのか不安になることがあります。『知らなかった・聞いていない』という話を良く聞きますが、それによって事故が発生すれば、事業者の責任です。

⑥は、ケアマネジメントのおけるアセスメント・モニタリングが不十分なために起こった事故です。ケアプランは介護サービスの基礎となるものであり、医療における『診断』と同じです。普段から歩行時のふらつきによる転倒の危険性があったにもかかわらず、アセスメントやモニタリングが不十分なために、プランの中で指示・共有できていなければ、ケアマネジメントに問題があるということになります。

⑦は、建物・設備・備品が原因で発生する事故です。メンテナンス不足によって、特別浴槽の転落防止柵が外れ、入浴介助中に入居者が転落、死亡するという事故が発生しています。その他、『床がぬれていたために転倒、骨折』 『階段室に認知症高齢者が入り込み転落』 『窓から転落』など、建物設備備品が事故・怪我の原因となっているケースは少なくありません。事業者は、高齢者が安全に生活できる環境を整える義務がありますから、その不備は、安全配慮義務違反ということになります。

以上、事業者の責任が問われる介護事故の例を挙げました。
一般的な『介助ミス』は、①をイメージする人が多いでしょうが、こうしてみると、直接介助中に発生した純粋な介助ミスだけではないということがわかるでしょう。介護事故は、単独の理由ではなく複合的な理由で発生しますし、事業者の責任でないものと、事業者の責任であるものが合わさります。ただ、事故原因が一つでも、上記の要因に触れたならば、『責任あり』となるのです。

これが、私たちが考える介護事故・リスクマネジメントの基本です。
ここから、裁判などで使われる『予見可能性』と『結果回避義務』という話に入っていきます。















category: 介護事故 事業者の法的責任

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