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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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介護施設・高齢者住宅の介護事故について 


私は、高齢者住宅の開設・経営のコンサルティングをリスクマネジメントを基礎にして行っています。
自宅で生活できない要介護高齢者の増加だけでなく、社会保障の未来を考えても、高齢者住宅の必要性が高まることは間違いありません。その安定経営を阻害する特殊なリスクを回避できれば、安定的に経営できる可能性は高いからです。

私の考えるリスクマネジメントは、経営・収支上の経営リスクと、サービス提供上の業務リスクに分け、それぞれに9つのリスク、合わせて18のリスクを設定しています。高齢者住宅の経営が安定しない、サービスが安定しないということは、言い換えれば、それぞれのリスクへの対応ができていないということです。

これまでのセミナー・勉強会では、制度の方向性や入居一時金経営、マーケティングなど高齢者住宅の経営リスクに関する依頼が中心だったのですが、日経ヘルスケアさんで一年間の業務リスクマネジメントに関する連載を行ったことから、介護事故やクレーム対応に関する相談やセミナー、各事業所の中核スタッフを対象とした勉強会の依頼が増えています。

この業務リスクは経営リスクと一体です。また、特養ホーム・老健施設などの介護施設でも同じです。
入居者・入所者が集まっていても、介護事故やクレーム、トラブルが増加し、サービスの質・レベルが安定しない、スタッフがすぐに退職してしまう事業者は少なくありません。今後、加齢によって重度要介護高齢者は増加していきますから、介護事故を原因とするトラブル・裁判はさらに増えるでしょう。
介護施設と高齢者住宅の経営リスクの考え方は、基本的に違いますが、介護事故やトラブルが増加すれば、正常なサービスが提供できなくなりますし、裁判となれば大きな負担となります。事故やトラブルへの対応力がなければ、働くスタッフを守ることも、事業を守ることもできないのです。

経営コンサルタントとして、業務リスクマネジメントにかける思いは二つあります。

ひとつは、ノウハウの構築です。
業務リスクマネジメントは、転倒事故やトラブルをどのように予防するのか、事故が起こったときにどうするか、介護事故報告書の書き方といった表面的で単純な課題ではありません。それらのリスクを予防・管理・削減するために、高齢者住宅の『サービス実務』と『サービス管理実務』をどのように行っていくのかです。
そこには、刑事責任、民事責任、行政責任など、法的な問題も関わってきます。高齢者住宅の『安全配慮義務』とは何か、予見可能性・事故回避義務は、裁判ではどのように判断されているのかを、正確に理解しなければなりません。

また、介護事故の原因は、介護ミスだけではありません。建物設計における介護動線・生活動線、設備備品選択、メンテナンスなどのハードから、入居相談、入居時説明、入居受け入れから、ケアマネジメントにおけるアセスメント・モニタリング、家族との連携連絡、信頼関係の醸成など、行っているすべてのサービスに関わってきます。すべてのサービスをひとつのシステムとして検討する必要があります。更に、それらのサービスのレベル・質を維持・管理するための、報告連絡相談、日々の申し送り、新人スタッフ教育、キャリアアップ研修、リスクマネジメント委員会設置なども一体的に検討しなければなりません。

高齢者住宅は、開設ありき、補助金取得ノウハウばかりが先走り、高齢者住宅で提供すべき必須サービスやサービス実務の検討が後回しにされてきました。業務リスクマネジメントは、高齢者住宅で提供すべき『サービス実務』と、経営者・管理者が行う『サービス管理』の根幹となるものなのです。リスクマネジメントを基礎とした、ノウハウ・システムをつくるというのが、ひとつの目的です。

そして、もう一つ重要なことは、介護労働の未来を示すことです。
高齢者介護は離職率が高い職種であることが知られています。
そこには、様々な要因がありますが、少なくとも、高齢者介護の仕事を始めようとする人はその業務内容を理解し、その労働条件を受け入れて仕事を始めているはずです。

それでも短期間で離職してしまう原因のひとつは、介護労働が仕事として守られていないからだと考えています。サービスの対象は、身体機能の低下した要介護高齢者ですから、小さなミス・一瞬の隙が、高齢者の生命にかかわるほどの大事故に発展します。入職後、表面的な研修だけで、十分な知識や技術がないまま介助・介護がスタートし、事故やトラブルが起これば、個々スタッフの責任ということであれば、業務を続けることができません。これでは、新人スタッフだけでなく、それを管理・監督する現場の中核スタッフも大変です。

『介護スタッフがすぐにやめてしまう』という事業所の多くは、給与や待遇ではなく新人スタッフ教育に問題があります。新人スタッフの教育・研修ができないということは、その高齢者住宅で提供すべき 『サービス実務』 『サービス管理実務』ノウハウが構築されていないということです。それぞれのスタッフがバラバラの視点で、表面的に排せつ介助、食事介助をしているだけですから、介護事故・トラブルは増加し、スタッフ離職は止まりません。

また、このサービス実務・サービス管理実務は、介護労働の未来を拓くものです。
介護労働の将来性については、『介護の仕事は将来性が高いと考える理由』 に書きました。

今後、確実に若年層を中心に失業率は高くなりますから、『介護の人手』を確保することはそう難しくないだろうと考えています。『他に仕事がないから介護の仕事でもしよう』 と言う人は増えてくるでしょう。介護報酬も上がる見込みはありませんから、スタッフの採用・離職の回転率は更に上がるでしょう。

しかし、これからの介護業界で、絶対的に不足する、値上がり確実なポジションがあります。それは、高い『サービス管理ノウハウ』『サービス実務』を提供できる介護スタッフです。事故やトラブルの予防・削減・対応のノウハウを持った中核となる介護スタッフは、これからの介護施設・高齢者住宅事業、介護サービス事業所には不可欠です。彼らは今後、引く手あまたとなりますから、必ず給与は上がります。それは法人内の価値ではなく、そのノウハウに対する市場価値が上がるからです。

介護労働の未来は、『年功序列で給与があがる』という実現不可能な未来ではなく、『高い給与が得られる介護スタッフ』を示すことが大切だと考えています。それが見えてくれば、個々のスタッフの努力、キャリアアップによって、その将来性が高いことが見えてくるはずです。

かなり、長丁場になると思いますが、ここでは介護事故を中心に、私たちが行っている業務リスクマネジメントを基礎とした『サービス実務』『サービス管理実務』について、何を考えているか語りたいと思います。







category: 介護事故 事業者の法的責任

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