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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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眉村 卓  ~傾いた地平線~   


宇宙は複数あるという 『マルチバース』 と、
複数の世界が存在するという 『パラレルワールド』 は基本的には違う概念だけれど、
自分の知らない世界、違う宇宙があるかもしれない・・・という想像は、心躍るものだ。
SF小説、SFアニメは、多くの 『もし』 を投げかける。

パラレルワールドを扱ったSF小説で好きなのは、眉村卓さんの 『傾いた地平線』

46歳、SF小説家の上村徳治は、ある日突然、パラレルワールドに入り込んでしまう。
そこは、SF小説家にならずに、大阪の関西耐熱材㈱という会社に勤め続けている自分の世界。
その世界では、サラリーマンのまま、本社の資材部次長となっている。
妻と高校二年の娘という家族関係は同じだが、病気で死んだはずの友人は生きている。

その後、周囲に不審に思われないよう、何とか乗り切って生活を続けるが、
突然の出張で、久しぶりに訪れた最初の勤務地の岡山工場にて、再び違う世界に入り込む。
その世界では、本社勤務にならず岡山工場で働き続け、工場の総務課長になっている。
妻は元の世界とは違う人で、そこでは娘ではなく二人の息子がいる。

そうして、上村は、パラレルワールドの自分を漂流することになる。
壮健な自分、不健康な自分、自堕落な生活、仕事・家族だけでなく、社会体制も変わっていく。
最初の頃は、手帳や名刺など、何とか自分の立場や分岐点を想像することができるが、
少しずつ、元世界とのブレ、歪が大きくなっていく。

詳細は、お読みいただくとして・・・

ちょっとした出会いやすれ違い、偶然で、人生は大きく変わっていくことは間違いない。
平家が源氏に負けたのも、いくつもの偶然が重ならなければそうはならなかったし、
織田信長が殺されたのも、日本が戦争に突っ込んで行ったのも・・すべて偶然の重なりだ。
それはすべて必然だ、運命だ・・・という人もいるけれど、
そうなっていなかったろう別の世界があったとしても、それほど不思議なことではない。

タイムマシンで過去にもどれないのは、タイムパラドクスの問題があると言われているが、
そこから世界が分かれるという方が、考え方としてはわかりやすい。

あの時交差点で、ばったりと旧友に会わなければ・・・
最初に入った銀行を退職していなければ、今頃なにをしていただろう・・・
あの時に結婚していなければ、今頃、どうしていただろう・・・

違う世界の自分に逢ってみたいような気もするが、それも怖いような気もする。

  『我思うゆえに、我あり・・・』 なのか、
  『もしという言葉のうつろ人生は、あなたに一度、わたしに一度』 なのか、

単純に面白いというよりも、自分とは何か、世界とは何か、色々と考えさせられる良い本です。
特に、主人公や私と同年代の方にお勧めです。

よろしければ、どうぞ・・・



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