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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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サ高住の課題と未来② ~入居者保護Ⅰ~ 


現在のサ高住の制度課題、そしてその未来をうらなうポイントのひとつは、『入居者保護』です。
高齢者住宅事業は、
    ① 高齢者・要介護高齢者の生活の根幹となるサービス・事業である。
    ② 入居者・スタッフが限定されるために閉鎖的になりやすい。
    ③ お客様であるはずの入居者・家族が弱い立場に立たされやすい。
という、3つの特徴があります。

そのため、行政など一定の権限をもった第三者による指導や監査は不可欠です。
これは、私が言っていることではなく、厚労省が言っていることです。

【有料老人ホーム標準指導指針の性格】  
有料老人ホームは、民間の活力と創意工夫により高齢者の多様なニーズに応えていくことが求められるものであり、一律の規制には馴染まない面があるが、一方、高齢者が長年にわたり生活する場であり、入居者の側からも介護をはじめとするサービスに対する期待が大きいこと、入居者にあたり高額の一時金を支払う場合が多いことから、行政としても、サービス水準の確保等のため十分の指導を行う必要がある。

(平成14年7月18日 厚労省老健局長通知)

数か月前、兵庫県のある介護付有料老人ホームで、介護福祉士が入居者に虐待をしているという事件が発生しましたが、それが発覚したのは、家族が居室に隠しカメラを設置していたからです。家族は24時間そばにいることはできませんから、疑問があっても、『本人がぶつけた・・』 『認知症もあるので・・』 と言われてしまえば、それに対して抗弁することはできません。結局、隠しカメラという最終手段でしか、真実を暴くことはできなかったのです。

指導監査体制の強化を嫌がる事業者も少なくありませんが、それは間違っています。
高齢者住宅産業の健全育成において、指導監査体制の整備は不可欠です。 高齢者住宅の事業特性を考えると、それこそが行政の役割・制度設計の柱だと言ってよく、入居を希望する高齢者・家族は、指導監査によって全事業者の 『一定の質』 が担保されているからこそ、安心して高齢者住宅を選ぶことかできるのです。
高齢者住宅に対する需要、社会的関心の高まりと同時に、マスコミからは厳しい視線を向けられています。『虐待は氷山の一角』 『高齢者住宅は玉石混淆で怖い』 というイメージが蔓延すれば、 いくら、『安心・快適』 『うちの事業所はちゃんとやっています』 と抗弁しても、業界の健全な育成などとても見込めません。情報開示や第三者によるチェック体制の強化は、高齢者住宅産業には不可欠なのです。

しかし、残念ながら、現在の高齢者住宅制度には、経済効果・産業の活性化を名目に、サービスの質の確保は無視して、『とりあえず数を増やす』 という視点しかありません。

最大の失敗は、2006年の老人福祉法の改正で食事・介護・相談業務を行っていても、高専賃として登録していれば、有料老人ホームの協議・届け出を不要にしたことです。これによって、『高専賃にすれば厳しい指導指針や面倒な事前協議をする必要がない』 と高専賃が急増することになります。
この2012年からは、高専賃・高円賃を廃止してサ高住に移行し、サ高住として登録しないものは有料老人ホームとしての届け出が必要となりますが、その過程を考えれば、監査指導がないからと、不透明な経営を行ってきた事業者は、あれこれと理由をつけてサ高住にも有料老人ホームにも登録・届け出をせずに、無届施設となります。

無届施設増加の原因

無届施設の中には、生活保護の高齢者を入居させ、まともなケアマネジメントもないまま系列の介護サービスを全額利用させたり、診療所から不可解な医療行為を行わせるなど、社会保障費を搾取する貧困ビジネスとなっているところもあります。

また、指導・監査の目が全く届かないために、どのようなサービスが提供されているのか、最低限の人権が確保されているのか、全くわかりません。中には、預金通帳を事業者が管理し勝手に使ったり、外出できないように外から鍵をかけるなど虐待と思われるようなケースも発生しています。しかし、対象者が行き場のない高齢者ですから、訴えることは難しく、表面化するのは氷山の一角だと言われています。

莫大な社会保障費が必要な特養ホームに代わり、超高齢社会に不可欠な高齢者住宅産業の健全な育成を進めるのであれば、量的拡大と同時に、地に足のついた指導・監査体制を強化し、最低限の質の担保と公平な競争の体制を整えるべきなのですが、実際は、有料老人ホームと高専賃・サ高住の大混乱の中で、介護保険制度前から続く有料老人ホームの入居者保護施策さえも大きく後退しています。

実際に監査・指導を行うのは都道府県・政令市ですが、その取り組み・体制はほとんど進んでいません。
サ高住は指導監査体制を強化したと言っていますが、実際には指導・監査の基準さえ整っていないため、どのように監査・指導すればよいかさえわかりません。劣悪な貧困ビジネスのような無届施設を無理やり届け出させても、それを健全な有料老人ホームの水準に達するように指導することは、だれが考えても不可能です

国は、『実際の指導監査は都道府県・政令市の仕事』 だと言い、
都道府県・政令市は、『何を監査すればよいのかわからない』 『登録制度なので、事業者から登録してもらわなければ手の打ちようがない』 と完全に及び腰で、責任の押し付け合いとなっています。 

現在の高齢者住宅業界は、完全に玉石混淆です。
現在の杜撰な制度設計は、入居者・家族が安心して入居できないだけでなく、行き場のない高齢者・家族の不安に付け込んで、反社会的な団体に社会保障費が垂れ流しされるのを支援しているようなものです。




【関連コラム】
    サ高住の課題と未来 ①
    サ高住の課題と未来 ② ~入居者保護 Ⅰ~
    サ高住の課題と未来 ③ ~入居者保護 Ⅱ~
    サ高住の課題と未来 ④ ~介護保険 Ⅰ~
    サ高住の課題と未来 ⑤ ~介護保険 Ⅱ~
    サ高住の課題と未来 ⑥ ~介護保険 Ⅲ~
    サ高住の課題と未来 ⑦ ~居住権 Ⅰ~ 
    サ高住の課題と未来 ⑧ ~居住権 Ⅱ~
    サ高住の課題と未来 ⑨ ~商品性 Ⅰ~
    サ高住の課題と未来 ⑩ ~商品性 Ⅱ



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