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『こいも』 日々思うあれこれ

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介護事故・トラブルを誘発するケアプラン ② 


ケアマネジメント、ケアプランは、要介護高齢者のQOLの向上だけでなく、介護事故の発生予防、介護事故トラブルの拡大予防のために非常に重要な要素だ。しかし、現状を見ると、逆に、ケアプランの不備が介護事故を誘発し、トラブルを拡大させているケースは少なくない。

現在の高齢者住宅のケアマネジメント・ケアプランを検証すると、大きく4つの問題が見えてくる。
前回に引き続いて、後半、2つの問題を挙げる。


Ⅲ 説明不足

3点目の問題は、入居者・家族への説明不足だ。
ケアプランのことを別名 『介護サービス計画』 と言うが、私はこの呼び方に、少々違和感をもっている。ケアプランは、訪問介護や通所介護などの介護サービスのスケジュールを示すためにつくるものではない。また、前々回、解説したように、ケアマネジャーが一方的に計画し、それを家族に説明し、承諾を受けるというものでもない。
ケアプランは、入居者・家族と話し合い 『どのような生活をしたいか』 というニーズを基礎に作るものだ。

ただ、その策定にあたっては、ケアマネジャーが専門的な立場からアドバイスすることが求められる。
例えば、独歩の高齢者の場合、自宅内では自由に歩いていたと聞いていても、本人が自覚しないまま伝え歩きしているケースは少なくない。高齢者住宅はバリアフリーだと言っても、新しい環境に慣れるまでは転倒の可能性は高くなる。また、自宅ではベッドからポータブルトイレの移乗は独りでできていたとしても、ベッドやポータブルトイレの位置が少し変わるだけで、移乗時の転落の可能性はある。

『自宅にいるときと同じように、自由に生活したい』 というニーズがあっても、それらをアセスメントで検証し、    
   『最初の内は、夜間のPトイレ利用時は、スタッフにコールしてくださいね。』
   『念のために、一週間程度は、歩行は十分注意し、ふらつくと感じる時は、必ずお声かけ下さい』

というケアプランを策定し、その必要性を説明しなければならない。 また、その説明の過程で、24時間スタッフが付きそうわけではないこと、高齢者住宅でも転倒のリスクがあることを伝えておかなければならない。

しかし、現在のケアプランは、ケアマネジャーが、『このように介護します』 ということを入居者・家族に伝えるだけの、文字通りの 『介護サービス計画』 だけになっているものが少なくない。

家族はケアプラン・アセスメントと専門的なことを言われてもよくわからず、専門家・プロに任せておけば、安全で最適なプランを作ってくれるだろうと考える。ケアマネジャーも、素人である家族・入居者に細かく説明してもわからないだろうという意識があり、一応、サインして印鑑を押してもらえば、それだけでよいと考えている。
その結果、安心・快適という話だけを聞いて、十分な説明がなされないままに入居し、その後すぐに転倒・骨折したと聞いて、『しっかり介護してもらっていたのか』 とトラブルになるのだ。

ケアブランの意識の違い 


介護スタッフが24時間付き添えるわけではなく、介護サービスだけで事故を防ぐことはできない。それを入居者・家族の前で依頼・説明し、介護事故発生の可能性と、事故回避の努力を行っていることをアピールしなければならない。
ケアプランを家族・入居者に説明しないことは、説明義務違反というだけでなく、介護事故の発生・トラブル拡大を防ぐ、大きな手立てを放棄しているのに等しいのだ。


Ⅳ 策定時期

四点目は、ケアプランの策定時期だ。

高齢者住宅のケアプランは、いつ策定するべきだろうか。
多くの事業者では、入居前に一定の面接・アセスメントは行うものの、ケアプラン策定・ケアカンファレンスは入居後に行っているようだ。

しかし、それは本来の趣旨から見れば、おかしい。
ケアプランは、『どのような介護サービスを提供するのか』 という介護サービス契約でもある。
そうであれば、入居契約と要介護高齢者のケアプランの契約は一体的におこなわなければならない。そのためには、本来、入居契約まで(入居日ではない)に、ケアプラン原案の策定と、ケアカンファレンス(入居者・家族説明含む) が、終わっていなければならない。

アセスメントをすれば事故のリスク・可能性は見えてくるが、24時間付き添うことはできない。転倒・転落の危険がある場合、ベッドを低くしたり、緩衝材を床に引くなどの対策が必要となるが、それでも怪我をする可能性はゼロではない。それを説明しても尚、『絶対に怪我させるな』と言われると、入居を受けられない。

介護サービスは、入居者が入居したその日・その時点からスタートする。
特に、生活環境が大きく変わり、精神的に不安定になることもあるため、転倒やトラブルの可能性が最も高い。
私は、これを『受入ケアプラン』 と呼んでいるが、この入居から二週間程度のケアプランは、入居契約前には原案を策定し、カンファレンスを行い、それを元に、
  
  『入居後はこのような介護サービスを提供させていただく予定ですが、いかがですか?』
  『転倒や骨折などの、リスクもありますが、ご了解いただけますか?』

と、入居者・家族に、より丁寧に、詳細に説明しなければならないのだ。




以上、前回を含め、現在の高齢者住宅のケアプランの課題について、4つのポイントを挙げた。

高齢者が安心・快適に生活するための基礎となるのは安全と信頼だ。信頼を得るためには、安全対策と同時に発生しうるリスク、避けられない事故について、意を尽くして説明しなければならない。

どれだけ精緻なケアプランを作っても事故をゼロにすることはできないが、責任を家族と共有することによって、裁判やトラブルの拡大を防ぐことは可能だ。『ケアプランは入居者・家族も一緒に策定すべき』というのは単なる理念ではなく、リスクマネジメントの実務からも不可欠なのだ。






category: 高齢者住宅のケアマネジメント

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