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『こいも』 日々思うあれこれ

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高齢者住宅におけるケアマネジメントの重要性 


高齢者住宅は、単なる高齢者の住居ではなく、その根幹は要介護高齢者対応にある。
要介護度の重度化に対応できない高齢者住宅は、高齢者住宅としての基本機能が欠けている。

介護付有老ホーム、住宅型有老ホーム、サ高住などの制度種類や介護類型に関わらず、すべての高齢者住宅で、『介護が必要になっても安心』 と謳っているが、介護付だから、訪問介護が併設しているから、それだけで要介護高齢者に対応できる訳ではない。

このブログでも、高住経ネットでも、書籍でも再三述べているように、介護保険制度は、介護の基礎、つまり最低限の介護サービスを提供する制度であり、安心・快適の介護サービスを約束するものではない。

考えてみて欲しい。高齢者住宅への入居を希望する高齢者・家族は、自宅で生活する以上の 『安心・快適』 を求めている。排泄介助や食事介助といったポイント介助ではなく、生活全般、24時間365日の包括した安心を求めている。介護保険のサービスだけでは、家族や入居者が求める介護サービスが提供できないということが前提であるにも関わらず、『介護付だから安心』 『訪問介護併設だから安心』 とセールスしている事業者は、その時点で 『高齢者住宅の介護』 の基礎が理解できていない。
これら多くの高齢者住宅事業者に共通しているのが、『ケアマネジメント』 の欠落だ。

ケアマネジメントとは何かを理解いただくために、医療サービス・医療保険と比較してみる。
医療の場合、様々な検査をして、『どのような病気・怪我なのか』 診断を下すのは医師だ。
同じ病名、『胃潰瘍』『胃がん』 であっても、当然、病状や進行度、患者の年齢や体力によっても治療方針は変わってくる。それぞれの患者に合わせて最適な治療方針を決めるのも医師だ。治療方針に従って、薬剤師、看護師、MSW、他の医師に指示し、協力しながら治療・療養を進めていくことになる。
これまでは、一人の医師がピラミッドの頂点に立って、他のスタッフに指示をするというのが一般的だったが、最近では、薬剤師、看護師など関係する専門職が集まって、チーム医療が進められている。それぞれの専門性を活かして、最適な治療を行おうとするものだ。
また、インフォードコンセントも進められている。医師が独断で治療方針を決めるのではなく、その内容について患者・家族に十分に説明し、その同意を得て、治療を行うというものだ。

医療の世界


高齢者介護はどうだろう。
介護保険の場合、介護認定調査・医師意見書を元に『どの程度の介護サービス量が必要か』を判断するのは、介護認定審査会だ。しかし、同じ『要介護3』であっても、その人の生活環境、要介護状態、直面する課題、本人の希望などによって、『どうすればその高齢者が最も安心・快適に生活できるか』 『そのためにどのような介護サービスが必要になるのか』は違ってくる。一つとして同じ状況はありえない。
一人ひとりの要介護高齢者の生活・希望に合わせて、生活改善の計画を策定するのがケアマネジャーであり、その計画がケアプランだ。

ケアプランは、インフォームド・コンセントとは少し立場が違う。
医療の場合、医師が策定した治療方針を患者・家族に説明し、同意を受けるという形が基本だが、ケアプランはケアマネジャーが策定し、その内容を、家族に説明するというものではない。ケアマネジャーは、入居者・家族から話を聞いて、一緒に長期的目標、短期的目標を立て、その目標を達成するためにはどのようなサービスが必要になるのかを、一緒に考えるのだ。

同様に、ケアマネジャーが策定したケアプランの内容を各サービス事業者に指示・伝達するというものでもない。各サービス事業者と、家族・入居者のニーズ・目的を共有し、サービス内容を検討し、調整し、課題があれば修正しながら、その高齢者の求める理想の生活に近づけていく。

介護保険の世界


勘違いしている人が多いが、ケアマネジメントは介護サービスを機械的に当て込む作業ではない。
アセスメントから課題を分析し、長期的・短期的目標を設定することからスタートする。
例えば、高齢者住宅に入居したばかりの人であれば、長期的な目標の一つは 『その高齢者住宅で楽しく生活したい』 ということになるだろうが、短期目標は『早く高齢者住宅の生活に慣れる』『早く友人をつくる』といったより具体的な目標がでてくるだろう。実際にケアを行う介護看護スタッフは、食事介助や入浴介助をするだけでなく、レクレーションに誘ったり、他の入居者と話が弾むように仕向ける・・というケアを行う。また、糖尿病のコントロールが必要な高齢者には、食事の内容を栄養士と相談したり、服薬の方法について看護師と検討することになる。

つまり、ケアマネジメントとは、高齢者・家族が持つ課題・不安に寄り添い、その要介護高齢者が、安心して快適に、その人らしく生活できる方法を高齢者・家族と一緒に考え、その目的が達成されるように計画・実践し、モニタリングする過程すべてを指す。訪問介護や訪問看護、通所介護などの介護サービスは、生活改善のためのツールの一つでしかない。

ケアマネジメントのないところに、介護サービスはない。
同一法人で訪問介護を併設し、訪問介護ばかりを提供している事業者があるが、それは風邪だという診断がでれば一律に投薬しかさせない、『胃がん』と言われれば手術以外の選択肢はないというのと変わらない。そのようなお仕着せの介護は、入居者や家族が求める安心・快適な生活とは、正反対のものだ。
マンションの下にコンビニがあると便利ではあるが、快適・安心に直結するものではない。品数の少ないそのコンビニでしか買い物できないと言われると、不便で不快でしかない。
介護サービス併設は、入居者にとっての便利さではなく、事業者の経営上のメリットが大きい。ケアマネジメントの視点かがなく、同一法人による 『サービス囲い込み』 で、訪問介護・通所介護を無理や利用させるような高齢者住宅は、手法としては貧困ビジネスと大きく変わらない。

何度も述べていることだが、高齢者住宅は競争の時代に入っている。
高齢者住宅でのトラブルが急増する中で、入居希望者が高齢者住宅の質を見る目は厳しくなっていく。
今は、『介護付だから安心』 『訪問介護併設で安心』 と説明するだけで入居者が集まっているかもしれないが、今後、そのような事業者は、見向きもされなくなるだろう。

高齢者やその家族が求める高齢者住宅の質は、建物設備ではなく、介護サービスの質だ。 それは表面的な便利さではなく、ケアマネジメントの質なのだ。高齢者住宅で、介護サービスをセールスポイントとするならば、ケアマネジメントの充実へと視点を移さなければならない。

更に、このケアマネジメントは、入居者・家族に対するセールスポイントとしてだけでなく、リスクマネジメントやサービス管理・経営管理にも直結する大きな課題でもある。
これまで、高住経ネットで検討・検証を行ってきた、高齢者住宅のケアマネジメントのポイントについて、数回に分けてこのブログで紹介したい。





category: 高齢者住宅のケアマネジメント

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