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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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こんな高齢者住宅を作ってはいけない ② ~早目の住み替えニーズ~ 


高齢者住宅事業は、需要の増加する、将来性の高いビジネスであることは間違いない。
しかし、同時に、特殊な事業性、特殊な事業リスクを持つ事業でもある。
参入のメリットは多くの人が語るが、語られることが少ない事業リスクこそが、経営の根幹だ。
事業参入にあたっては、過度な期待に基づく 『開設ありき』 の事業計画ではなく、長期的視点から 『どうすれば、失敗しないか』を考えなければならない。
それが、長期経営に強い商品設計、経営ノウハウの構築につながっていく。

私たちは、経営コンサルタントとして、事業計画・サービス管理・経営管理の中で、『どこまでリスクが削減できるか・・』 の検討を行ってきた。
リスクマネジメントを基礎とした商品性を検討するにあたり、まず重要になるのが 『ターゲット』 だ。
『こんな高齢者住宅をつくってはいけない』 も、ターゲットの問題から入りたい。

高齢者住宅のターゲットを考える前に、現在の老人福祉施設のターゲットを見てみたい。
それを、資産階層と要介護状態から図にしたのがしたのものだ。

相対的位置付け



これは、7年前に出版した 『失敗しない有料老人ホームの事業戦略』 に載せている図だ。
図にすると、ターゲットとしてはどこが空いているのか・・・に目が行くだろう。
わかるように、健康期・虚弱期の中間層・富裕層が、すっぽりと空いている。
要介護期は、特別養護老人ホームの独壇場であり、莫大な社会保障費が投入されている特養ホームとは価格面で絶対に勝てないし、特定施設の総量規制によって介護付の開設は難しくなっている。
そのため、『早目の住み替えニーズ』 という発想がでてくる。

しかし、この図は、高齢者住宅の役割ではなく、事業性という視点で見なければならない。

ターゲットからみた福祉施設の特徴は、2つある。
一つは要介護状態別に、施設種別が分かれているということ。
もうひとつは、この要介護状態の変化に合わせて、入所者が移動しなければならないということ。

ケアハウスは、元気な高齢者が要介護状態になっても生活できる、いゆわる『早目の住み替えニーズ』 を目的として平成元年にスタートした福祉施設の制度だが、それから24年経過したが、このケアハウスに重度要介護高齢者は入所していない。
それは、自立・要支援を対象としたケアハウスで生活する高齢者に、介護保険のサービスを提供するだけでは、その生活を支えることができないからだ。トラブルにならないのは、ケアハウスの入所者が重度要介護状態になれば、同一法人で運営される特養ホームに優先的に入所できるからだ。


ここから、高齢者住宅のターゲット選定において、2つのことが読み取れる。
一つは、要介護度によって、高齢者住宅・老人ホームのシステムは商品性に全く違うということだ。
私たちは、高齢者住宅を商品設計において、

  入居者の要介護度変化にどのように対応できる『可変性』
  様々な身体状況の高齢者に対応できる 『汎用性』

の強化について詳細に検討を行ってきたが、商品・システムとしては『要介護2~要介護5』の変化・身体状況変化が限界だ。様々な視点から多くの検討を重ねたが、自立高齢者・要支援高齢者が快適に生活できるニーズを満たし、かつ、重度要介護高齢者になっても生活できる高齢者住宅を設計することは不可能だという結論を得ている。


・ 高齢者は加齢によって、身体機能が低下し要介護状態となる。

・ 高齢者・家族は、重度要介護状態になっても生活できると考えて高齢者住宅への入居を希望する。

・ 高齢者住宅は、重度要介護高齢者になっても生活できるような商品でなければならない。


つまり、『自立・要支援高齢者を対象とした高齢者住宅』というのは、コンセプトとして成り立たないのだ。

『早目の住み替えニーズ』 をターゲットとしている高専賃やサ高住の経営者からは、
  『終身利用を約束しているわけではない』 
  『どんな状態になっても生活できるというのは、高齢者住宅ではありえない』
という話を良く聞く。

確かにその通りだが、『対応できないケースがある』 ということと、『重度化にはシステムとして対応できない』 ということは、根本的に違う。自立高齢者から重度要介護高齢者までのニーズに対応するためには、その非効率性を補うための莫大な費用がかかる。しかし、入居一時金が数千万円、月額費用が30万円以上というサ高住には、誰も入居しないだろう。
また、これは対入居者の話だけではない。重度化対応ができなくても、転倒・骨折などの事業者責任は同じだ。トラブルや事故が多発することになり、スタッフの離職率が高くなり、経営できなくなる。

高齢者住宅は、学校というカテゴリーとよく似ている。
大学生を対象とした学校と、小学生を対象とした学校は、校庭の広さも机の大きさも、カリキュラムも全て違う。小学生が大学生になっても使える学校がないように、元気高齢者が要介護高齢者になっても生活できる高齢者住宅を作ることは不可能なのだ。

厳しい言い方をすれば、『早目の住み替えニーズ』 で作られる高齢者住宅は、
末期ガンに対応できない 『ガン専門病棟』、 ターミナルケアができない 『ホスピス』 のようなものだ。 


category: こんな高齢者住宅をつくってはいけない

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