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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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浅田次郎  「天切り松 闇がたり」  残侠 


浅田次郎さんは、私の好きな小説家の一人。

涙なしでは読めない 「鉄道屋(ぽっぽや)」 「天国までの百マイル」 
「蒼穹の昴」 「壬生義士伝」 など独自の視点で描かれた歴史小説、
「プリズンホテル」 「きんぴか」 といったピカレスク小説 等・・ジャンルを問わず面白い。
その中で一押しというか、「私は何をやっているんだろうか」 と気持ちが弱くなったときに手に取るのが、

「天切り松 闇がたり」

母親と早くに死別し、実の父に捨てられた松蔵が、
仕立屋銀次の跡目と目された 「目細の安吉親分」 に拾われ、
一家の頭 説教強盗の寅弥兄ィ、夜盗の花 天切りの達人栄治兄ィ、百面相 騙りの常次郎兄ィ、巾着切りのおこん姉さん達に、厳しくやさしく叱られながら、友情をはぐぐみ、恋を知り、世間を知り、人間として成長していく。

この物語は、年老いた現代の松蔵(天切り松)が、当時を回想するというストーリー展開になっている。
きらびやかな大正ロマンに彩られながら、心意気、人間としての誇り、やせ我慢、掟や躾の厳しさ、その中で培われる絆の強さなど、日本人が本当に大切にしてきたものが、鮮やかに細やかに描かれる。

「天切り松シリーズ」 は、これまで4巻でているので、是非お読みいただきたいが、
その中で、私が特に好きなのは、第二巻の 「残侠」。

目細の安吉一家に、ひょんなことから客分として現れた、時代がかった老侠客。
それは何と、清水の次郎長一家の四天王の一人と呼ばれた清水政五郎、人呼んで「清水の小政」

安吉一家に降りかかった火の粉を払うため、一宿一飯の義理を果たすために、切れ緒の草鞋をはく小政が、最後に松蔵に諭す。


「若ェ衆。 おめえさん、いい面構えだの。 血を分けた孫なら一言だけこう言ってやる」
「男てえのは、理屈じゃあねえ。 おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言い聞かせて生きるもんだ。 よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何もいらねえ。 さ、言ってみな」


大人になれば、自分を奮い立たせるために、誰もがこっそり持っている「復活の呪文」
その一つが、この小説・この台詞。

生活保護の不正受給問題、大津市のいじめ問題の校長や教育委員会の対応などを見ていると、
国民の生活や日本の未来などはどうでも良く、政局や次の選挙のことしか考えていない政治家を見ていると、
「こっちが得だ・あっちが損だ」 と目先の利益に走り、 「勝ち組だ・負け組だ」と、楽して人のふんどしでお金儲けをしようとする人が多いことを見ていると、
本当に残念だけれど、やはり日本は、日本人は何か大切なところで、大きく道を間違えたような気がします。

でも、人様のことはどうでも良いのです。
松蔵親分に叱られないよう、やせ我慢と心意気を胸に括りつけて、生きていきたいものです。



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