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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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いつ、高齢者住宅に参入するのか・・ 


先日某所で、
   『ブログもホームページも楽しみに見せていただいています』 と、お声かけをいただいた。
とても嬉しい。

ただ同時に、
   『高齢者住宅に興味はあるのですが、制度が混乱しており怖くて参入できないんですよ』
とも言われた。

名刺交換もお名前もお伺いできず、お話する十分な時間がなかったので、
   『そうですね。制度が安定しないと困りますね・・』 としか、お話できなかった。

もう少し、丁寧にお話したかったのですが、バタバタしており申し訳ありませんでした。


実は、同じような話を直接的、間接的によく聞く。
当ブログでも、高住経ネットでも、高齢者住宅や介護保険制度の課題について取り上げている。
高齢者住宅や介護サービス事業は、民間の営利目的の事業でありながら、同時に経営や収入の根幹を社会保険制度に依存しているという、他に類例のない特殊な事業だ。経営の地盤となる制度が非効率と矛盾に満ちており、非常に不安定なのに、その上に高齢者住宅を建設することはできない・・という話はその通り。
事業参入を真剣に考えれば考えるほど、杜撰な制度がその意欲を鈍らせるという事態を、厚労省・国交省は理解しているだろうか。

脆弱なビジネスモデル


その一方で、介護付有料老人ホームだ、高齢者専用賃貸住宅だ、いやこれからはサ高住だ!!と、
制度が変更されるたびに、次々と新しいものに飛びつき、
セミナーや介護経営誌でも、制度の矛盾や課題ではなく、『イイとこ取り』のビジネスモデルが、
『先進事業者の取り組み』 『ここがビジネスチャンスです!!』 などと紹介されている。

私のところに 『高齢者住宅に参入したい』 と来られる方の多くは、すでに他のデベロッパーさんやコンサルタントのセミナーに参加されており、本当にこんなに上手く行くものでしょうか・・という相談が多い。その事業計画・ビジネスモデルを見せていただくと、参入メリットだけが過剰に喧伝され、震度1の地震にも耐えられない安全基準で建てられた原子力発電所のようなものだと感じる。実際、今作られているサ高住の多くは、そのようなものだと考えて良い。

高齢者住宅は、30年40年という長期安定経営が不可欠だが、同時に経営環境や制度が途中で変更になっても、臨機応変に商品性(建物設備・サービス内容・価格など)を変更できないという特殊な事業だ。
厚労省や国交省は、制度変更や報酬改定によって個別の事業者が倒産しようと、経営が悪化しようと関係ないというのが基本スタンスだ。『制度矛盾の上に成り立つビジネスモデル』 が成功する確率は、この先30年40年、震度1以上の地震が一度も起こらない確率と同じだ。

現行制度では、高齢者住宅事業には参入できない・・と言われればそうかもしれない。
確かに、制度が完全に安定してから、落ち着いてから参入すれば、制度変更リスクは回避できる。
しかし、高齢者住宅市場・マーケットと言う観点からみれば、それは不可能だ。
事業を始める以上、制度変更を含めた様々なリスクを、完全にゼロにすることはできないからだ。

将来のことを全て見通せるわけではなく、『今すぐ高齢者住宅に参入すべし・・』 だとは思わないし、どの程度までリスクテイクできるか、どのようにリスクヘッジするのかを最終的に判断するのはコンサルタントではなく、経営者だ。

ただ、私は、『いつ、高齢者住宅に参入すべきか・・』 という話には次のように応えている。
そのポイントは、『高齢者住宅という産業は、いま、どの時点にいるのか・・』だ。

例えば、回転寿司。
回転寿司が一般化したのは1970年以降。この40年の間に、業界は急速に拡大してきた。
現在でも、多数の業者がしのぎを削っているが、ビジネスモデルとしては収斂されてきている。
現在は、かっぱ寿司、スシローなどの100円均一のお店か、少し高級感のある価格設定が高めものかどちらかだ。回転寿司は外食産業としてはとてもたくさんの企業・個人が参入したが、当然、それだけ競争が激しくなり、多数の事業者が閉店・倒産に追い込まれている。ビジネスとはそういうものだ。

他の業者に先んじて参入した企業が、そのままトップランナーでいられるわけではない。
産業全体が大きく拡大しても、その値段やサービスに対する 『値打ち』 がなければ、長期安定的なビジネスとしては難しい。産業全体が拡大しても、生き残れる回転寿司のビジネスモデルは決まってくる、長期的に成功する商品性は集約されていくということだ。

もうひとつは、小売業者の話。
ダイエー、イオンなどの総合スーパーは、大規模小売店舗法とその緩和の過程で拡大してきた。
ダイエーは王国とも呼ばれ小売業界を席巻したが、土地建物の自社保有、多角経営による赤字拡大のなかで、市場の信頼を失い急速資金繰りが悪化、産業再生機構の支援を受けるまでになる。
外食チェーンや小売チェーンは、個別に見れば、新店舗を出店し、採算の悪い店舗は閉鎖していくだけのものだが、中長期的に企業全体としてみれば、やはりビジネスモデル・商品性の勝負なのだ。

また、同時に言えることは、ビジネスは早い者勝ちではないということだ。
厳しいビジネスの世界で『これから伸びる産業だ』 と目を付けることは大切だが、制度の方向性も定まらず、ビジネスモデルも明確でない時点で、勢い込んで参入・拡大しても、強い商品性・強いビジネスモデルが出てくれば、あっという間に逆転される。



しかし、その一方で事業として成功させるためには、やはり参入のタイミングは非常に重要だ。
ビジネスモデルや経営ノウハウが確立された後で出て行っても、そこから挽回することは難しい。

そのタイミングを計るために重要になるのが、今現在、高齢者住宅は、すべての成長産業が経験する、 ①急速拡大、②混乱と淘汰、③商品性の集約 という大きな流れの中のどこにいるのか、ということだ。

私の判断は、現状は、①拡大 から ②混乱 に向かうところだ。
この数年の内に、有料老人ホームの倒産、高専賃・サ高住のトラブルが大きな社会問題となる。
厚労省や国交省の、利権争いの中で生まれた杜撰な制度も、厳しく糾弾されることになるだろう。
私は、社会的な風向きとしてみれば、それが大きな転換点だと思っている。
これは、現在、社会的関心が高まっている社会保障の不公平感にも大きく関係している。

高齢者住宅事業が、これからの超高齢社会に不可欠な産業であることは疑う余地がない。
現在の制度の課題、高齢者住宅の失敗ケースを検証する中で、制度の方向性も強い商品性・ビジネスモデルの方向性も、ある程度見えてきている。 高齢者住宅ビジネスは、この転換点から先が、本当の勝負だ。ここから半年・一年の間に、どこまで準備できるのか、制度ではなく強い商品性集約の方向性を探ることができるのかが、ビジネスの明暗を分けることになると考えている。

混乱と淘汰の時代こそが、大きなビジネスチャンスだ。安定期に入るとチャンスは小さくなる。
高齢者住宅の参入・開設には、少なくとも2年はかかる。
今やるべきことは、不安定な制度の中で、脆弱なビジネスモデルを闇雲に拡大することではなく、
厳しい競争・淘汰の後にくる、強い商品性・ビジネスモデルを構築することだ。



category: 高齢者住宅に関すること

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