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『こいも』 日々思うあれこれ

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入居一時金と利用権⑧ ~商品性の集約~ 


この入居一時金に対する規制強化は、高齢者住宅の商品性にも大きく影響する。
それは、価格体系を縛られることによって、高齢者住宅の商品性が集約が進むということだ。

ひとつは、高額な入居一時金を採る有料老人ホーム・高齢者住宅の未来。

前回述べたように、経過措置の有無に関わらず、初期償却をしている事業者は価格設定を変更せざるを得ない。
今回の権利金・礼金見合いの入居一時金の初期償却禁止によって、高額の入居一時金・初期償却を行っている有料老人ホームはどのような動きを見せるのか想像してみよう。

収支に極力影響を与えないように、かつ、制度を守ろうとすると、次の図のようになる。
これまでの初期償却の内、一定額(恐らく100万・200万程度)は、返金する保証金とし、残りの初期償却部分は、毎月の利用料の前払いとして振り替え償却するという方法だ。 つまり金額変更ではなく、償却方法の変更だ。

初期償却禁止後



利用料の前払いが多くなることによって、償却期間内の退居の場合の返還金が増えることになるが、今でも、返還金計算には、『退居返還係数』という妙なものがついており、これを操作することで収支の悪化は抑えられる。今回の規制では、退居返還係数までは踏み込んでいないため、ここに逃げ場所があるということだ。

しかし、この方法をお勧めするかと言えば、それはやめたほうが良い。
入居一時金の規制は、商品性の集約に関わるもので、小手先の対応で解決できるような問題ではないからだ。
この問題は、商品性の集約の中で一体的に考える必要がある。



先に、これからの有料老人ホーム、入居一時金制度はどこに行くのか・・について述べておきたい。

入居一時金の返還金トラブル、入居一時金のリスクは、高齢者・家族の中で浸透しつつある。
今回の規制によって、それに拍車がかかることは間違いない。

当然、これまでの経緯を見ても、大半の有料老人ホームは適正に運用され、安定した経営をされているだろう。
しかし、入居一時金経営のリスクは、入居者・家族には判断できないし、把握できない。
正直に言えば、『あの老人ホームは大丈夫でしょうか・・』 と聞かれても、私にも判断できない。
黒字経営を続けていても、キャッシュフローが潤沢でも、長期入居リスクは決算書に表れないからだ。
実質的に経営が破綻しているのに入居者募集をしたという、入居一時金詐欺のような事業者がでてくれば、『当老人ホームは、真面目にやってます、安心・安全です』と言っても、数千万支払う側からすれば、不安は払拭されない。

これからの大きな流れをステップを踏んで見てみる。

【ステップ①】
現行制度では、前払い金が保全されるのは500万円が上限となっている。それは2000万円、3000万円支払っても、いざというとき最高でも500万円しか戻ってこないということだ。そう考えると、入居一時金の一つの目安は500万円ということになるだろう。500万円以上の入居一時金を取る有料老人ホームは、敬遠されるということだ。

【ステップ②】
今回の規制では、入居一時金の保証金部分が保全対象となるのか否かは明確に示されていない(私の知るところ)が、恐らく保全対象となるだろう。入居一時金が500万円で保証金見合いが100万円、利用料の前払いは400万円とすると、償却期間は短くせざるをえない。
また、実際の入居者のニーズを考えると、入居一時金500万円に押さえて、月額利用料を高額(例えば40万円)に設定するという価格はありえない。それを合わせて考えると、居室はワンルームタイプ、対象は中度~重度の要介護高齢者に集約されていくということになる。

【ステップ③】
要介護高齢者対象、入居一時金500万円以下、償却期間5年程度、ワンルームタイプという商品性が集約されていくと、高齢者住宅に 『相場』 が生まれるということになる。これは有料老人ホームだけでなく、サ高住も同じだ。
現在の高齢者住宅は、あれもこれも 『安心・快適』 とセールスされているが、その 『安心度・快適度』 には大きな差がある。
このスタッフ配置、この立地、この建物グレードで、何故こんなに高額なのだろうと思うものも少なくない。相場が生まれてくると、実質的なサービス競争・価格競争の時代に入るということになる。



ここから、現在の入居一時金が数千万円の有料老人ホームはどのようにして生き残るのか・・という問題に戻る。
厳しい見方かもしれないが、一部のものを除き、入居一時金が数千万円という有料老人ホームは、入居者を集めることが難しくなるだろう。
規制に対応するために、初期償却部分を毎月の利用料の前払いとして振り替え償却するという事業者が増えるだろうと予測したが、規制に対応できても、高齢者・家族の目は厳しくなるからだ。

しかし、介護保険制度までがそうであったように、『夫婦で入居したい』 『ワンルームの狭い居室は嫌』 という高齢者・家族は必ずいる。富裕層を対象として、ワンランク上のサービスを提供する有料老人ホームはなくならないということも事実だ。

ただ、そのためには、高額な入居一時金を支払ってもらうだけの安心の担保は欠かせない。
現在でも、親会社の信用をバックに、入居一時金を全額保全している、万一経営が悪化した場合は、未償却部分を全額返金するとしている有料老人ホームもある。それぞれの事業者で、どうすれば、高齢者・家族の不安・リスクを払拭できるか、知恵を絞らなければならない。

実際には、それぞれの事業者で、入居一時金の問題だけでなく、商品性や収支計画の抜本的な見直しが必要になるだろう。 『安心・快適』 ではなく、これからのターゲット、セールスポイントを明確に、商品として勝負できない高齢者住宅、選ばれない老人ホームは、長期的に安定経営はできないのだ。



category: 入居一時金と利用権 課題と未来

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