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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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『猿丸幻視行』  井沢元彦 


井沢元彦さんと言えば、逆説の日本史・・という人も多いだろうが、色々な小説も書いておられる。
その中で、読んでとても面白かったのが、『猿丸幻視行』


唐突だが、『いろは歌』をご存知だろうか。

すべての仮名を一文字ずつ使って作られたもので、中世から近代まで、文字を書く練習の基礎として用いられた。
『お前さんには、いろはから教えなければならないのか』 という意味は基礎もわかっていないということだ。
年配の人ならば当然のように最後まで暗誦できるだろうが、最近は『おいうえお』が基本で、いろは歌は学校でも習わないために、私も、その意味をよく知らなかった。

が・・・この 『いろは歌』 とても奥が深い。
  いろはにほへと ちりぬるを    わかよたれそ つねならむ
  うゐのおくやま けふこえて    あさきゆめみし ゑひもせす

この文脈を解釈すると、次のようになる。
  色は匂へど 散りぬるを      我が世誰ぞ 常ならむ
  有為の奥山 今日越えて      浅き夢見じ 酔ひもせず

これは、仏教の根本を示す 『無常偈』 の和訳だとされている。
  諸行無常 (すべてのものは無常にして)    ・・・・・ 色はにほへど 散りぬるを    
  是生滅法 (生じては滅する性質なり)     ・・・・・ 我が世たれぞ 常ならむ
  生滅滅已 (再生してはまた滅していく)    ・・・・・ 有為の奥山  今日越えて
  寂滅為楽 (そけが静まり止むことこそ安楽なり)・・・・・ 浅き夢見じ  酔ひもせず

すべての仮名文字を一文字ずつ使って、意味のある歌にする。
それも、単に意味があるだけでなく、仏教の教理を表している・・・・

これだけでも、人間業とは思えないが、
これに、和歌の最初や最後の文字を拾っていくと別の意味になるという
沓冠・折句と呼ばれる言葉遊びの技法を加え、7文字ずつ区切って最後の文字を繋げると・・

  いろはにほへ
  ちりぬるをわ
  よたれそつね
  らむうゐのお
  やまけふこえ
  あさきゆめみ
  ゑひもせ

とかなくてしす・・・・『咎(罪)無くて死す』
つまり、無実の罪で死刑に処せられた怨念が込められている歌だというのだ。

そこから、この作者は誰なのか、歌聖 柿本人麻呂、 謎の三十六歌仙 猿丸太夫 の謎に迫っていく。

プロットは、とある大学生が製薬会社のモニターになって過去の折口信夫の記憶の中に入り、
そこで起こった殺人事件を折口信夫が解決するのを見聞きする・・・
というナントも奇妙な話なのだが、内容はとても面白い。

歴史ロマン、伝奇ロマン好きだけれど、難しいことはチョッと・・という方。
梅原猛さんの『水底の歌-柿本人麻呂論』や、篠原央憲さんの『いろは歌の謎』を読むのは大変だけれど、
その面白いところだけを抜粋して、ストーリーにして、できればミステリーとして読みたい・・という方

おすすめです。






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