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『こいも』 日々思うあれこれ

あれこれ日々思うこと、考えることを、書いています。

 

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入居一時金と利用権 ⑥ ~長期入居リスク~ 


今日は、ギリシャ議会の再選挙。
ヨーロッパは、ユーロはどうなるのだろうか・・
結果がどちらになるにしても、株や円が大きく変動するだろう。
欧州単一通貨ユーロは、当時から、『政治統合なき貨幣をめぐる壮大な実験』 と言われたが、
その結果は、大失敗に終わりそうな気配。  他人事ではないのだが・・・

日本でも、『一度、民主党に任せてみれば・・』 という小さな実験が、まさしく想定外の悲惨な結果に・・
これは、身から出た錆び、自業自得なのだが・・・

そういえば、清水貞俊先生のゼミでEC経済を学んだような記憶が・・・
そういえば、 『ECの金融の未来』について、卒業論文を書いたような記憶が・・・
今から22年前、何を書いたのだろうか・・怖いもの見たさで読んでみたいような気もする。

今日は、父の日。いつもの介護は担当制だが、久しぶりに義父をかこんで全員集合で食事。




さて、
入居一時金と利用権の六回目。

入居一時金という特殊な価格システムは、入居者・家族にリスクが高いと書いたが、
当然、有料老人ホーム事業者にとっても、リスクを抱えることになる。
その最大のものが、想定よりも長期入居となる高齢者が増える 『長期入居リスク』 だ。
これについては書籍や高住経ネットでも述べているが、大切なことなのでもう一度、ポイントを整理する。

入居者・家族からみた入居一時金のメリットの一つは、長生きに対する保険であることを述べた。
つまり、一時金を支払えば月額費用は低額に抑えられること、また、長生きすればするほど利用料は安くて済むということ。償却期間内で退居すれば利用料は割高だが、償却期間を超え長生きすればするほどお得になる。
しかし、逆に事業者からすると、長生きされればされるほど、損になるということだ。

長期入居リスク 


下記の例で見れば、5年目までは、満額が償却収入(利用料収入)として計上される。
しかし、6年目には償却期間を超えて長期入居する高齢者(つまり一年目から入居している高齢者)が20人いることから、利用料収入は30人分のみとなり、その年度の収入は2千万のマイナスとなることを示している。その他の支出は変わらないため、収入(売上)が減るのではなく、そのまま利益が減るということだ。

『長期入居リスクを考えて一時金を決めている』という経営者も多く、また、短期間で償却した方が返還義務がなくなり利益は高くなると考えている人は多いのだが、そう単純ではない。利益が高くなるのは最初の償却期間(上記例では5年)だけであり、その利益の40%は税金として徴収される。長期的に見ると、税金を支払ってリスクを繰延しているにすぎない。

長期入居リスク①



入居一時金経営のメリットを長期的に得るためには、償却期間が実際の入居者の入居期間と合致していなければならない。しかし、残念ながら全体として見た場合、バランスを欠いていると言わざるを得ない。その理由は2つある。

一つは、長生きの可能性が高い軽度要介護高齢者が多いということ。
厚労省の介護給付費実態調査を見ると、現在の介護付有料老人ホームには、要介護2までの入居者が全体の半数を占めている。特に、特定施設の基準配置程度の介護付有料老人ホームでは、重度要介護高齢者割合の増加や医療依存度の高い高齢者に対応できないため、入居者選定にあたって軽度要介護高齢者が優先されている。

個々のホームによって入居者割合は違うため、一律に論じることはできないが、重度要介護高齢者の多い特別養護老人ホームでも、長期入所の高齢者が多いことを考えると、5年程度の償却期間では、これを越えて入居する高齢者が多いことは間違いない。

もう一つの理由は低価格化。
利用権料は家賃相当額であり、土地取得費、建設費などの不動産取得価格を基礎として算定される。入居一時金の金額は償却期間内の利用料の前払いという性格上、償却期間と入居一時金には相関関係がある。

600万円の入居一時金を設定するとして、償却期間が5年の場合、一年間の利用権料(家賃相当)は120万円(月額10万円)となるが、償却期間が10年とすると、一年間の利用権料は60万円となってしまう。同じ額の利用権料を得るためには、一時金は1200万円にしなければならない。

つまり、償却期間を長くすると入居一時金は高額となり、償却期間を短くすると一時金を低く見積もることができる。介護保険制度前の元気な高齢者を対象とした有料老人ホームの入居一時金が高額だったのは、建物の仕様の違いもあるが、償却期間が15年程度と長期に設定されていたという要因が大きい。
低価格化の流れの中で、長期入居リスクの検討が十分に行われないまま入居一時金を下げるために、安易に償却期間が短くされているという側面が強いのだ。

更に問題は、この長期入居リスクは、収支が悪化するまで、表面化しにくいということだ。
『介護サービス事業の中で唯一利益がでているのが有料老人ホーム』と言われているが、その利益率は、長期入居リスクが顕在化しない償却期間内だけの利益率が含まれている。償却期間内の決算内容は、有料老人ホームの経営実態を示しているものではなく、実際には入居者に返金されるべき未償却の前受け金を転用しながら運営が続けられているホームも、相当数にのぼるとされている。

償却期間内は、経常収支は黒字で、キャッシュフローも潤沢になるが、償却期間を超えるとキャッシュフローは一気に悪化する。逆に見れば、現在、予定通りに入居者が集まっていなくても、人件費が高騰しても、キャッシュフローがある期間は倒産しない。

このように、入居一時金という特殊な価格設定を行っている有料老人ホームは、長期入居リスクによって収益・資金繰りが逼迫し、ある日突然、資金ショートし倒産する可能性があるのだ。


category: 入居一時金と利用権 課題と未来

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